7/7、投票に行った後にオーランドを観劇に。
背面のスクリーンと、4脚の椅子だけのシンプルな舞台。変わる性別、移り続ける時代を想像させる、品のある静かな舞台。
「凍える」以来のパル劇。「凍える」の舞台美術は今でも鮮明に思い出せるくらい大好き。
なので、今回のオーランドも二村周作さんの美術をとても楽しみにして行きました。
パル劇の舞台美術、というか二村さんがパル劇の空間で作り上げるあのシンプルで美しい美術が刺さるのかも。
余談
「凍える」の時、冬っていうのもあって少し空気がこもっていて後半ダウンしてた。
なので、パル劇にそんなにいい思い出がないんだけど、小さく品の良い舞台はとっても大好き。
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美術以外にも、美しかったのが台詞。とにかく詩的で美しかった。
■うろ覚えですが、好きな台詞
「探さなきゃ 人生と愛を」
「起きて服と自分を身に纏う」
「魂の残り香を食べて生きている」
「遠い昔からやってきて、今のしきたりで生きている
人生はいつだって人生でない何かと衝突している」
個人的に「心だけの愛ってあると思う?」「人との交わりってそんなもの?」が好き。
男と女の性別を行き来して愛を問う物語だけど、アセクシュアルも取り残さないでいてくれる。
男と女それぞれの立場で愛を考える話だからそういう部分は特に期待してなかったけど、存在をないものとして扱われないことに泣きたくなるくらい救われた。
それは、オーランドが他者ではなく自分の中に、自分のための生きる価値を持っていたからこそかな。
本当に言葉の一つ一つが美しかった。さすがに全部記憶しきれてないので、もう一度見に行きたい。
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そして、美しいものに囲まれながらも圧倒的に美しくて存在感のある、宮沢りえ…
登場シーンのもたれかかっている姿から、もう美しすぎた。
男の時は、「女のように美しい」と言われながらも「青年らしい」美しさだったし、女の時は「マダムらしい」美しさだったので、どこを切り取っても美しかった…
本当に、美しく語りかけてくる、いい舞台だった。
特にラストが良かった。1人複数役が、意味のある配役だった。
「遠い昔からやってきて、今のしきたりで生きている」の端っこを掴めた気がする。
愛とか、人生とか、人間とか分かんね〜と思いながら生きてるけど、360年生きても分からないものだと思うと勇気をもらえる。結局、答えというか生きる意味って自分の中にしかなくて、オーランドにとってそれは詩だった。