7部のジョニィももちろん大好きだけど、8部でもっとジョニィのことが好きになった。
世界の命運を賭けた戦いでは高潔な選択を取った人間が、家族を持つようになると、「家族」と「それまでの全てや他人」を天秤に賭けた瞬間に家族を取る人間になるという点が。
家族を持つと人は変わるというのは、空条承太郎を見ていればよく分かる。それが悪いことだとは全く思わないし、むしろ人として美しいことだなと思う。まあ、承太郎は元々、身内が関わると弱い節は3部からあったけれども。

全てを投げ出して家族を守るというのは、本当に美しい行為だけどその行為には結果が伴うという話で、花都と常敏の行動の結末はすでにジョニィが示していたんだよな。

そんな彼らとは対照的なのが、憲助。家族のことを愛しながらも、ずっと高潔で、だから家族や豆銑、定助も全幅の信頼を置いていた。
常敏が父と対立しながらも、父からの愛情を疑うことなく生きているのが本当に愛されてきたんだなと感じる。「オレを許してくれ」ってセリフと表情が、本当にただの1人の息子の願いから発せられた言葉だったし、きっと父はこんな自分でも許してくれるという親への甘えが含まれている健気な言葉だなと思う。

常秀も卑屈さはあるけど、愛されて育ったんだなと思う。本当の本当にどうしようもないやつだけど、「意外とあいつ心が真っ直ぐでいいヤツだったな」とか「いつも父さんの隣だったじゃあないか…隣がいい」とか、ちょくちょく可愛げのあること言うから憎めないんだよな。根幹に親からの愛情がある。

鳩と大弥に関しては、憲助が愛情深く育ててる割に愛情に飢えてる節があると思ってたんだけど、その原因って母親の不在なんだなと花都が出てきた時に腑に落ちた。「あたしにママがいたの?」の大弥の喜びように、彼女の幼少期の寂しさを見たり、花都が登場したときに鳩が一家の長女の顔になるのが色んな気苦労の影を感じたり。
鳩と常敏ってあんまり絡みなかったから分かんないんだけど、母親に対する思いの違いという点で少し距離はありそうだなと思った。逆に鳩は弟、妹とはかなり仲良しだから、2人にとって母親代わりの存在でもあったのかも。

憲助の高潔さだけで全てが解決するかと言われれば、そうではないから。だからこそ、花都と出会って結婚して、東方家が完成したんだな。
家族って足りないものを補い合う集団なのだと思う。
#jjba